EDO TRADITIONAL ART
地口行灯
六本木アートナイト開催を記念して地口行灯を点灯します。
地口行灯は江戸の庶民の遊びであったもので、地口とは「だじゃれ」を意味します。昔は2月の初午の祭礼に街中に飾られていたもので当時の流行りの芝居の台詞やことわざなどを用いてダジャレを楽しんだものです。
江戸に来て間もない人は、芝居の台詞や江戸の流行などを知らぬため、地口行灯を見ても元ネタが分からず困りますが江戸に長く馴染んでいくと、この地口行灯が分かるようになって自分が江戸っ子になれたような気がして嬉しい気持ちになったことでしょう。
昔の人々にとっては娯楽は今に比べて少ないものでしたが、生活の中で「笑う」ということをとても大事にしていたように思います。日本神話にあっても岩戸開きのお話では、神々が岩戸の前でお祭をして大笑いをしたことで、天照大御神様は岩戸を少し開けて覗き見ようとしたところを岩戸を開けられてしまったのでございます。
このことから古くは「笑う」は「祓う」に通じると考えられていたようでございます。冬の寒い頃、街中に地口行灯を灯し、笑うことで心を温めた江戸の人々の懐かしい遊び、地口行灯を通常の2月よりも暖かい季節に設置いたしました。アートナイトをご覧の皆様に、お楽しみいただければ幸甚です。
令和4年9月吉日
朝日神社
※「地口行灯」について詳しい説明は下記のバナーより朝日神社のサイトにて解説いたします。
じぐちあんどん/JI-GU-CHI-AN-DON